【区分】
区分は、初心者と中級者に分けましたが、各自の判断で自由にご覧下さい。
1 日本は、国内産出のエネルギー資源って少ないのですか?
天然ガスは、新潟県、千葉県、北海道などで年間30億立方メートル超の生産をしています。都市ガス原料に占める国産天然ガスの割合は、産出県では非常に高いのです(新潟県では約62%等)また、パイプラインによって、各地に供給がなされています。(天然ガス鉱業会HPより)
原油は、秋田県の「国際石油開発帝石」(INPEX)の八橋油田や、新潟県の「石油資源開発」(JPEEX)の岩船沖油ガス田などで、ごく少量です。
2017年度の一次エネルギーの自給率は、再エネ等5.3%、水力1.6%、天然ガス約0.5%、石油0.3%のみです。
また、原子力発電は準国産として自給率1.9%にカウントします(原子炉内の燃料は、数年間、発電できて備蓄性が高い)。
2 国産のエネルギーが少ないから、海外に頼る必要があるのですか?
その通りです。
エネルギーは、私たちの暮らしになくてはならない大切なものですが、日本では、全エネルギーの90%以上を海外からの輸入に頼っています。それとは反対なのが、カナダ。自分の国で使ってあまった分のエネルギーを海外へ輸出しています。
NO | 区分 | 参考のリンク先 |
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① | 初 | 北海道電力 エネルギーアイランド 日本はエネルギー資源の乏しい国 |
② | 初 | 日本原子力文化財団 エネ百科 「原子力・エネルギー」図面集 【1-1-11】 主要国のエネルギー輸入依存度 |
③ | 初 | 東京電力ホールディングス エネルギー理解 エネルギーの安定供給に向けた課題 |
3 日本はどのくらい海外からエネルギーを買っているのですか?
日本のエネルギーの90%以上は海外からの輸入ですが、輸入が減れば、その分のお金は国内に残るということになります。その輸入の金額は④、⑤です。
4 各国のエネルギー自給率はどのくらいですか?
各国の自給率は大きく違います。日本は、2010年度は20.3%程でしたが、大震災による原子力発電の停止でエネルギーの自給率が急降下となりました。
2013年度には6%まで下がりましたが、最近の一部原子力発電の再稼働等で上昇してきました。しかし、低いと言われている食料の自給率(2018年度で37%)と比べても極めて低い状況です。
5 日本はどのようなエネルギーに依存していますか?
日本の一次エネルギーの2017年度内訳は、LNGが39.0%、石炭25.1%、石油23.4%です。元々日本は、これらの化石燃料の資源に乏しい国で、エネルギー自給率9.6%は、OECDの35ヵ国中、34位と低い水準となっています。
また、発電では化石燃料が87.4%(2017年度)と極端に多く、CO2の排出削減が課題となっています。
NO | 区分 | 参考のリンク先 |
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① | 初 | 資源エネルギー庁 日本のエネルギー2018 「エネルギーの今を知る10の質問」のQ1-2 |
6 日本はどのような国から資源を輸入していますか?
原油は99.7%輸入で、特に、中東地域に約88%依存しています。また、天然ガスや石炭についても、オーストラリアやロシアのほか、アジア・オセアニアや中東地域など、そのほとんどを海外からの輸入に頼っています。
NO | 区分 | 参考のリンク先 |
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① | 初 | 資源エネルギー庁 日本のエネルギー2018 「エネルギーの今を知る10の質問」のQ1-3 |
7 電気料金はどのように変化していますか?
東日本大震災以降、電気料金は値上げが相次ぎ、その後の原油価格の下落などにより2014年度以降は低下しましたが、直近では再び上昇しています。
NO | 区分 | 参考のリンク先 |
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① | 初 | 資源エネルギー庁 日本のエネルギー2018 「エネルギーの今を知る10の質問」のQ2 |
8 発電方法の違いによるコストはどうなっていますか?
発電方法別のコストについては、2015年に国が専門家を集めた検討会で試算しました(①)。②と③は、再エネや原子力発電のコストの内訳等も含め、分かり易く説明されています。
NO | 区分 | 参考のリンク先 |
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① | 初 | エネルギー白書2019 第2部-第2章-第2節1次エネルギーの動向 【第222-2-16】世界の再生可能エネルギー発電コストの推移(P211) |
② | 中 | 資源エネルギー庁 2017/09/14スペシャルコンテンツ 再エネのコストを考える |
③ | 中 | 資源エネルギー庁 2017/10/31スペシャルコンテンツ 原発のコストを考える |
9 なぜ、再生可能エネルギーの導入を進める必要があるのですか?
再エネは発電時にCO2を排出しないこと、また、エネルギー自給率の向上に貢献するなど、日本にとって重要なエネルギー源と考えられており、また、第5次エネルギー基本計画では主力電源にすることを目指しています。
NO | 区分 | 参考のリンク先 |
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① | 初 | 資源エネルギー庁 日本のエネルギー2018 「エネルギーの今を知る10の質問」のQ7-1 |
② | 初 | 電源開発 知る・学ぶ・楽しむ |
③ | 初 | 関西電力 学ぼう地球とエネルギー エネルギーと地球 |
10 再生可能エネルギーの導入は進んでいますか?
我が国の発電電力量に占める再エネ比率は2017年時点で、16.0%(水力を除くと8.1%)です。主要国と比べると再エネ比率は低く、更なる導入拡大が求められます。
11 再エネだけでエネルギーを賄うことはできないのですか?
再エネは季節や天候によって発電量が大幅に変動するなど、さまざまな課題があります(①)。これへの対応は、火力発電などの出力調整できる電源をバックアップとすること(②)、また、蓄電池の導入拡大や大量の再エネに適した電力ネットワークによる安定供給する対策(③)などの課題があります。
④は、これらの問題を分かり易く動画で説明しています。これらの課題が解決することによって本当の意味での再エネの大量導入が可能になります。
12 原子力エネルギーはどうしても必要なものなのですか?
資源の乏しい我が国において、1.安定供給の確保、2.電力コストの引下げ、3.CO2排出の抑制の3点を実現するためには、原子力発電は欠かすことのできない電源です。
全ての条件を満たす万能な発電方法はない中で、多くのメリットがある原子力もある程度必要であると考えられています。国の試算によると、原子力発電を火力で代替すると燃料代は、震災前(08~10年度平均)と比べてピークの時で年間3.6兆円(2013年)の増加(2.7万円/人の負担)となってしまったのです。
13 どうして電気をたくさん使う東京や大都市に原子力発電所をつくらないのですか?
原子力発電の建設においては、広大な敷地、大量の冷却水、堅固な岩盤、地元の方々からのご理解等が必要です。
東京など日本の大都市は、一般に地盤の軟弱な河口にある場合が多く、また、地価が高く建設費用は莫大なものになってしまい、現実には不可能といえます。
NO | 区分 | 参考のリンク先 |
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① | 初 | 関西電力 よくあるご質問・お問い合わせについて 原子力発電 原子力発電所が都市部から離れたところにあるのはなぜですか? |
② | 初 | 資源エネルギー庁 エネルギー教育 かがやけ!みんなのエネルギー ワークシート7発電所はどんなところにあるのかな? |
14 エネルギーミックスってもう少し詳しく教えてください
石油、天然ガス、石炭、ウラン…この中でもあらゆる面ですぐれたエネルギー資源はありません。エネルギー資源がとぼしい日本では、安定して手に入れることができるか、環境への影響、コストなどを考え、バランスよく組み合わせて使うことが重要なんですね。これをエネルギーミックスと言います。
NO | 区分 | 参考のリンク先 |
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① | 初 | 北海道電力 エネルギースクール バランスの良い組み合わせが大切! |
② | 初 | 北陸電力 エネルギー・環境 エネルギーミックス(動画3:31) |
③ | 初 | 東京電力ホールディングス エネルギー理解 エネルギーミックス |
④ | 初 | 電気事業連合会 電事連チャンネル(動画)エネルギーミックス みんなで一緒に働くお話(2:30) |
15 日本のエネルギー政策について教えてください(半歩先の学び)
日常生活の空間に対しての安全性(Safety)はもちろんですが、エネルギーの自給率(Energy Security)、経済の効率性(Economic Efficiency)の向上、そして環境への適合(Environment)を同時達成するように、取り組みを進めています(3E+S)。
現時点で、完璧なエネルギー源はないので、それぞれの強みと弱みを総合的に比較し、国が置かれている周辺状況も考えながら、最適なバランスとすることが重要です。