東北エネルギー懇談会

お知らせ

「ひろば」521号 発行

2023.11.29|広報誌

特集

グリーン・トランスフォーメーションに適う原子力開発・利用
東京大学名誉教授 山口 彰氏

(本文要約)

・2023 年2月に「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定され、原子力開発・利用についてもロードマップが描かれた。

 

・GX基本方針は、「足元の危機を乗り切るためにも再生可能エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限利用する」としている。

 

・原子力も再エネも脱炭素に不可欠な選択肢である。安定な脱炭素電源供給体制を確立してGXの目標を達成するという文脈で、GX電源法の原子力利用方針を理解すべきであると思う。

 

・第2回GX実行会議では岸田総理が、「エネルギー政策の遅滞解消は急務であり、原子力発電所の再稼働、安全確保を大前提とした運転期間の延長、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設、再処理・廃炉・最終処分のプロセス加速化」の4つの政治決断が必要であると述べた。

 

・次世代革新炉の技術ロードマップでは、安全性を向上させた革新軽水炉の開発を最優先に取り組み、2030年代に運転を開始することとしている。2040年以降の廃炉のペースを踏まえれば、必要な発電規模を確保するためには毎年1基のペースでの建設が必要である。

 

・さらに再処理・廃炉・最終処分のプロセス加速化は、将来にわたる脱炭素エネルギーの安定供給、持続的経済社会構築の鍵を握っている。

 

・資源循環性と放射性廃棄物の低減が可能な高速炉と、閉じた核燃料サイクルの開発・確立に取り組まなければならない。これがGXに適う原子力開発・利用のビジョンであると考える。
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せとふみのereport プラス

エネルギーミックスを支える現場から―技術者たちの思い―~電源開発株式会社 鬼首地熱発電所~サイエンスライター 瀬戸 文美氏

・電鬼首地熱発電所は、電源開発株式会社の発電所で、宮城・秋田・山形の3県にまたがる地熱地帯に位置し、1975年以来40年以上、電力の安定供給に貢献してきたが、今後も長期に有効活用するため、最新設備への更新工事を行い、2023年4月運転を再開した。

 

・今回、話を伺った鬼首地熱発電所課長の大友友裕唯さんは、各地の火力発電所の運用管理全般を経験し、2021年から鬼首地熱発電所で建設工事の担当として、主に機械・電気設備の設計・工事管理を行ってきた。

 

・「地熱発電は自然を相手にするものなので、火力と比べてコントロールが難しい面がある。安全が最優先であることを常に意識して、設備の特徴を十分に理解して運用することを心がけている」と、大友さんは仕事への想いを語った。

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教えて!坪倉先生 気になる“ ほうしゃせん”

放射線被ばくは遺伝するの? ―その2―福島県立医科大学 医学部放射線健康管理学講座 主任教授 坪倉 正治氏

エネルギーを学ぶ・伝える・考える

大鰐町立大鰐中学校(青森県南津軽郡大鰐町) 鳴海 博史氏

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