東北エネルギー懇談会

ひろば520号|せとふみのe report <要約版>

エネルギーミックスを支える現場から─技術者たちの思い─
〜東北電力株式会社 女川原子力発電所〜
サイエンスライター 瀬戸 文美氏

・東北電力女川原子力発電所は、東日本大震災で震源に最も近い原子力発電所だったが、震度6弱の揺れと約13mの高さの津波に耐え、3基の原子炉はすべて設計どおりに自動停止した。2013年に新規制基準が設けられ、原子力発電所の再稼働には厳しい安全対策基準を満たすことが求められるようになった。

 

・現在、女川原子力発電所は2023年11⽉の安全対策⼯事完了と2024年2月の再稼働を目標に取り組みが進められている。とくに敷地内への津波の直接的な流入を防止するための総延長約800m・海抜29mの防潮堤が設置されたことは、女川原子力発電所の最大の特徴となっている。

 

・今回、話を伺った保全部・原⼦炉グループの久保亮介さんは、炉心損傷などで原子炉格納容器内の圧力が上昇した際の対策として設置されているフィルタ付格納容器ベント装置を担当している。万が一の際には放射性物質の放出量を1000分の1以下まで大幅に抑制できる。

 

・「電力を安価に安定的に皆さまに届けることができ、地球環境問題にも貢献できることが原子力の理想的な姿と考えている。今後も原子力の安全に携わっていきたい」と、久保さんは仕事への想いを語った。

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