東北エネルギー懇談会

ひろば518号|せとふみのe report <要約版>

エネルギーミックスを支える現場から -技術者たちの思い- ~東北電力東新潟火力発電所~
サイエンスライター 瀬戸 文美氏

・東新潟火力発電所は、国内でも有数の規模を誇る火力発電所だ。運転開始から大容量ベースロード電源として活用されてきたが、現在は需給状況にあわせて柔軟に対応する、調整電源としての運用にシフトしてきている。また、1984年に運転を開始した3号系列は、国内初の事業用大容量コンバインドサイクル発電を採用したことで「コンバインドサイクル発電発祥の地」と言われている。

 

・コンバインドサイクル発電とは、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた二重の発電方式である。圧縮した空気とLNGを混合・燃焼させて高温高圧の燃焼ガスをつくり、その圧力でガスタービンを回して発電を行う。さらにその排熱を利用し、蒸気タービンによる発電も行うため熱効率が高い。同量の燃料で従来の火力発電より多くの電力を生産でき、CO₂排出量も抑えることができる優れた発電方法だ。

 

・今回は、東新潟火力発電所・運営企画グループ長の山田綾野さんに話を伺った。山田さんは管理職として、相手との信頼関係を築くことを心がけながら、年代や経験、スキルなどが異なる多様な人材をベストミックスさせて成果を最大限に発揮し、発電所全体の環境を守ると共に、組織も自分も成長し続けていくことを目指している。

 

・どんなに技術が進歩しても、その技術を使うのは「人」。共に働く仲間とコミュニケーションをしっかり取って、強い使命感と高い技術力をもった電力の安定供給を支える人材を育てたい。また、地域の小学校を対象に環境・エネルギー教室を行うことで、次代を担う子どもたちに環境やエネルギーなどの大切さも伝えていきたいと、会社の枠を越えた未来に向けた人材育成への想いを話してくれた。

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