東北エネルギー懇談会

ひろば511号|せとふみのe report <要約版>

「注目の新技術」再エネで水素製造 〜福島水素エネルギー研究フィールド〜
サイエンスライター 瀬戸 文美氏

・ NEDOが主体となって2020年から稼働している「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」を訪ね、再エネを利用した水素製造技術について取材した。 この施設では、次世代のエネルギーとして期待されている水素をどのようにつくり、どのような役割を果たそうとしているのか見ていく。

 

・ 水素は可燃性がある気体で、地球ではほとんどが水(H2O)として存在している。石炭や石油などは炭素(C)を含んでいて、燃やすと二酸化炭素(CO2)が発生するが、水素は炭素を含んでいないので、燃やしても発生するのは水だけという特長がある。

 

・ FH2Rでは、太陽光発電による電気を利用し、CO2を排出せずに水素を製造・貯蔵・供給する。発電量が多い日照時には水素の製造量を増やし、発電量が少ない悪天候時などには水素の製造量を減らして電力使用量を抑える。天候などに発電量が左右される再エネと水素製造を組み合わせ、再エネの最大限の活用をはかるのだ。

 

・ 再エネと水素を組み合わせることで、CO2を排出せずに水素をつくり、安定した電力供給にも貢献できる可能性がある。実用化までには時間がかかるが、実際に水素を製造して社会の中で実験的に利用することで課題を抽出し、技術発展につなげることが重要だ。

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