東北エネルギー懇談会

ひろば510号|せとふみのe report <要約版>

「注目の再エネ」地熱発電 〜松川地熱発電所〜
サイエンスライター 瀬戸 文美氏

・ いま再エネとして見直されている地熱発電について、日本初の地熱発電所である松川地熱発電所を取材し、レポートをまとめた。

 

・ 地熱発電とは、マグマからできた岩石の熱によって、岩盤の亀裂などに溜まった雨水や地下水が熱せられた「地熱貯留層」まで井戸を掘り、蒸気や熱水を取り出し発電に利用すること。

 

・ 日本は国土が狭く、石炭や石油などの化石資源は乏しいが、世界第3位の地熱資源を有している。また、地下から噴出する蒸気や温水には、硫黄などの金属を腐食させる成分が含まれるが、それを克服して地熱発電を行う技術も持っている。

 

・ 地熱は、時間や季節を問わずに安定した供給が可能な自然エネルギー。火力発電と比べても発電時のCO2排出量は1/40〜1/70と、とても低く抑えられる。一方で、地下の様子は実際に井戸を掘らなければわからず、適地調査や開発に時間がかるという問題がある。

 

・ そのため資源はあれど、日本の地熱発電量は世界で10位と、まだ十分活用されていない。再エネの利用やCO2排出量の削減を目指すためには、自然エネルギーの中でも安定して発電できる地熱を、地域や自然と調和しながら活用していくことが重要だ。

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