東北エネルギー懇談会

ひろば508号|特集2 <要約版>

はじめての福島学
東京大学大学院情報学環 准教授 開沼 博

・東京電力福島第一原子力発電所の事故から10年以上が経過したが、風評被害は、さまざまな局面で今も懸念されている。広く一般の人々に、福島についての正確な事実が共有されていないというのが現状。今後、いかにイメージを回復するかが重要だが、そこには三つの壁がある。

 

・一つ目の壁は「過剰な政治問題化」。福島の問題を語ろうとすると、「原発推進派か反対派か」というように二項対立の問題=政治的な話にされてしまう。その地域で暮らす人たちが生活をどうするか考えていくことが大事。

 

・二つ目の壁は「過剰な科学問題化」。どうしてもセシウム、ベクレル、といった科学者でないと分からないような難しい話に巻き込まれてしまう。

 

・三つ目は「ネガティブなイメージ化」。ネガティブなデマ情報が流され続け、福島の話を語りにくくなっている。

 

・必要なのは、「福島県の状況に関する正確なデータと、その背景を誠実に直視し、それを分かりやすく語り、伝えていくこと」。福島が歩んできた状況を知ってもらうことが、これからも続く福島の復興につながっていく。