東北エネルギー懇談会

ひろば509号|せとふみのe report <要約版>

「低炭素を目指して」
CO2低減技術 IGCC(石炭ガス化複合発電)
サイエンスライター 瀬戸 文美

・ IGCCとは石炭ガス化複合発電のこと。石炭から得られる熱エネルギーを無駄にせず活用することで、最新鋭の従来型石炭火力発電でも42%であった熱効率を、48%という高い水準まで引き上げることに成功。これにより、二酸化炭素の排出量を15%も削減できる。

 

・ IGCCでは、従来の石炭火力発電所では熱効率が低下するため使用できなかった「融点が低い石炭」も活用することができ、さらに燃焼時に発生する硫黄酸化物などの大気汚染物質を取り除きやすいというメリットもある。

 

・ 福島県の浜通りは、石炭の輸入港へのアクセスが良く、発電に必要な環境・設備を隣接する他の火力発電所と共用でき、東日本大震災で打撃を受けた地方の雇用と経済効果を創出する「福島復興電源」としての役割が期待され、IGCCの建設地に選ばれた。

 

・ 脱炭素が叫ばれている今、太陽光などの再生可能エネルギーは増やす方向にあるが、それだけで電力の安定供給は難しい。日本のような資源の少ない国で再生可能エネルギーを増やしていくためには、ベース電源の一つとしてIGCCを視野に入れるべきだ。

 

・ 石炭を効率よく、かつ環境にできるだけ負荷をかけない形で利用するIGCCは、日本だけではなく世界全体を見渡した時に重要な技術だ。IGCCの技術がより広まっていくことを期待したい。