東北エネルギー懇談会

お知らせ

「ひろば」510号 発行

2022.01.31|広報誌

特集1

2022年の国際情勢~経済見通しとエネルギー展望
双日総合研究所 チーフエコノミスト 吉崎 達彦氏

(本文要約)

・現在、エネルギー価格や賃金の上昇、コロナの影響などが重なり、アメリカの経済情勢はインフレ傾向になりつつある。
一方で日本国内の経済は、コロナ禍で消費が落ち込んだことで家計貯蓄が相当積みあがっており、アフターコロナには経済の追い風となるだろう。

 

・感染症の流行で、世界中の人々の働き方や暮らし方も変わってきた。さらに脱炭素への動きが加速されてきたことで、パンデミックの前後では産業構造も大きく変わってくることは間違いない。

 

・世界全体で、「カーボンニュートラルを目指す」といった大きな問題に取り組むには、直線的なアプローチではあまりうまくいかない。最初から完璧を目指すのではなく、回り道をしながら徐々にやっていく「迂回アプローチ」が必要だ。

 

・カーボンニュートラルの実現に関しては国際的な目標のほか、各国の安全保障の問題もある。削減目標は重要だが、それ以上に国民の暮らしや経済、安全保障が大切であり、「環境と経済の好循環」を目指す必要がある。

 

・今後、日本のエネルギー供給の大きな方向性は、「再エネの比率をなるべく増やし、原子力も使い、その結果として脱炭素を目指す」ことだ。再エネの適地が少ないという問題とも向き合い、徐々に国民に理解してもらう努力をすることも大切だ。
<全文PDFはこちら>

特集2

COP26とカーボンニュートラル
東京大学公共政策大学院 特任教授 有馬 純氏

(本文要約)

・2021年のCOP26で最も注目を集めたのは、「1.5℃安定化」「2050年のカーボンニュートラルに向けた国際的合意ができるか」そして「石炭火力をどうするのか」という3点だった。

 

・直前のG20では脱石炭には触れず、温度目標についてはパリ協定の規定の再確認にとどまったが、COP26では「1.5℃上昇に抑制するよう努力することを決意する」ことに成功。石炭火力フェーズダウンも盛り込まれ、グラスゴー気候協定は「歴史的合意」だと高く評価された。

 

・しかし2050年全球カーボンニュートラルを目指す方針を明確に打ち出したことは、2050年までに排出できるCO2総量に枠をはめることとほぼ同義であるため、限られた炭素予算をめぐって今後、先進国、途上国で激しい争奪戦が生じることは確実だ。先進国のカーボンニュートラル達成時期の前倒しや途上国支援の大幅積み増しを求められることになるだろう。

 

・石炭火力もフェーズダウンということで今回は決着したが、今後フェーズアウト議論の再燃や、対象が化石燃料全体に広がる可能性もある。何より問題なのは、これらの議論が現実のエネルギー情勢と乖離していることだ。世界を席巻しているエネルギー危機は国民への低廉で安定的なエネルギー供給が危うくなれば、温暖化防止よりも国民生活防衛が優先されることを示している。

 

・温暖化問題は独立した存在ではなく、地政学、地経学的な視点でとらえる必要がある。特にエネルギー面が脆弱で、エネルギーコストも高い日本は、原子力を含め、利用可能なオプションを全て活用し、国益を見据えた対応を行うことが不可欠だ。
<全文PDFはこちら>

せとふみのereport

「注目の再エネ」地熱発電 〜松川地熱発電所〜
サイエンスライター 瀬戸 文美氏

・いま再エネとして見直されている地熱発電について、日本初の地熱発電所である松川地熱発電所を取材し、レポートをまとめた。

 

・地熱発電とは、マグマからできた岩石の熱によって、岩盤の亀裂などに溜まった雨水や地下水が熱せられた「地熱貯留層」まで井戸を掘り、蒸気や熱水を取り出し発電に利用すること。

 

・日本は国土が狭く、石炭や石油などの化石資源は乏しいが、世界第3位の地熱資源を有している。また、地下から噴出する蒸気や温水には、硫黄などの金属を腐食させる成分が含まれるが、それを克服して地熱発電を行う技術も持っている。

 

・地熱は、時間や季節を問わずに安定した供給が可能な自然エネルギー。火力発電と比べても発電時のCO2排出量は1/40〜1/70と、とても低く抑えられる。一方で、地下の様子は実際に井戸を掘らなければわからず、適地調査や開発に時間がかるという問題がある。

 

・そのため資源はあれど、日本の地熱発電量は世界で10位と、まだ十分活用されていない。再エネの利用やCO2排出量の削減を目指すためには、自然エネルギーの中でも安定して発電できる地熱を、地域や自然と調和しながら活用していくことが重要だ。
<全文PDFはこちら>

放射線のおはなし

重粒子線(炭素線)による放射線治療
東北放射線科学センター 理事長 宍戸 文男氏

エネルギーを学ぶ・伝える・考える

いわき市立中央台東小学校(福島県いわき市) 林 和樹氏

 

以上

ページトップへ