会員企業の女性社員の皆さまを対象に「エネルギーセミナー」(2回シリーズ)を実施(2回目:10/10)
2025.11.14|ニュース
当会では、2025年10月3日および10日、会員企業の女性社員の皆さまを対象にした「エネルギーセミナー」(2回シリーズ)を実施しました。今回は2回目の様子をご紹介いたします。(1回目の記事はこちら)
2回目(10月10日)は、東北電力(株)三居沢電気百年館・三居沢発電所を見学しました。日本の水力発電発祥の地として知られる三居沢発電所は、全国でも珍しく市街地に位置しています。
発電所に隣接する三居沢電気百年館で、三居沢発電所の歴史や水力発電のしくみを学んだあと、長い階段を上って広瀬川から取り入れた水を貯める貯水槽や落差約27mで発電所へと至る水圧鋼管などを見学しました。その後、明治41年に建てられ、国の登録有形文化財や経済産業省の近代化産業遺産に認定されている三居沢発電所の中で、実際の水車や発電機を見ながら説明を受けました。
午後のエネルギー勉強会では、後藤宏専務理事のエネルギー講話のあと、4つのグループに分かれて「グループディスカッション」を実施。
「今回の施設見学やエネルギー講話を通して、日本の電源構成(原子力・火力・再エネ)はこれからどう変わっていくと良いと思うか?」というテーマに沿ってディスカッションを行い、グループごとに発表しました。
【グループディスカッションで出た意見】
・再エネはCO2の発生が少なく、持続可能なエネルギーなので増やしていきたいが、太陽光・風力発電設備の新設に伴う森林伐採など生態系に与える影響や、近年の異常気象のなかで安定供給できるのかを懸念している。
・「少ない燃料で莫大なエネルギーを生み出せる」「電気代が安い」などのメリットを聞いて、原子力の割合は現状維持がいいと思った。しかし、地域住民へ丁寧に説明する必要がある。
・今回、原子力発電所の安全対策を知り、「環境にやさしい」「エネルギー自給率をあげられる」などの理由から、原子力発電所の再稼働を進めていく必要があると感じた。
・エネルギーを貯めることができない以上、調整する役割を果たす火力発電は現状維持としたほうがよい。
・天候に左右されるものの、2050年のカーボンニュートラルに向けて再エネは増やしていったほうがよい。
また、参加者からは2回のエネルギーセミナーを通して以下のような意見が寄せられ、エネルギーミックスへの理解が深まった様子でした。
【2回目のセミナーを終えて寄せられた声】
・三居沢水力発電所では、海から山、山から川と、長い時間をかけて発電所まで水が届き、私たちの生活に必要なエネルギーに代わっていることを知ることができました。
・原子力や再エネについては、メリット・デメリットがあり、簡単には答えが出せない難しいテーマです。だからこそ、もっと多くの方に関心をもってもらい、それぞれのエネルギーの特徴や課題を理解した上で、未来のエネルギー選択について模索していく事が大切だと感じました。
・エネルギーミックスについてただ漠然と、様々なエネルギーを組み合わせていくことが大事と思っていましたが、エネルギー講話でコスト・設備投資・土地などの条件面において、難しい課題が多いことを学びました。
・私たちの生活に欠かせないエネルギーが今、どんな国策のもと、どんな課題があり、どんな取り組みが行われているか、現状を理解することができました。
三居沢電気百年館にて
水力発電のしくみについて学ぶ
三居沢発電所で貯水槽を見学
普段は入れない三居沢発電所の建屋内で
水車と発電機を見学
日本の望ましい電源構成について
グループディスカッションの結果を発表
三居沢発電所での集合写真

