学校が新たなコミュニティーの場へ「橋本五郎文庫」
地方では、今、少子高齢化や過疎化の進展などから、地域コミュニティーが薄れつつあり、各自治体では、地域活性化に向けた趣向を凝らした取り組みが行われています。
今回取材に訪れた秋田県「三種町」は、稲作を中心に「じゅんさい」や「八竜メロン」などの栽培が盛んな町です。この町に2011年4月29日「橋本五郎文庫」がオープンしました。過疎化により惜しまれつつ閉校となった小学校を、町の出身者である橋本五郎氏(読売新聞特別編集委員)が、2万冊の書籍を寄贈し、地区のコミュニティー施設として生まれ変わらせたのです。文庫開設から運営に携わる地元の方々の姿を紹介します。
故郷への想いがつないだ文庫の設立
橋本さんと幼馴染で現在、運営委員会の会長を務める近藤實さんは「鯉川小学校の閉校を知った橋本さんが、生まれ育った町に人がいなくなり、人と人とのつながりがなくなると危惧し、多くの人が集う場所づくりとして自分の蔵書を寄贈しました」と、文庫設立の経緯を話してくださいました。
地元の方々が力を合わせた手づくりの文庫
運営委員会の事務局を務める宮田勝良さんからは「地元の方々が力を合わせて設立した文庫ですが、開設準備から本の分類作業はミスも多く、今でもその訂正に追われています」と、手づくりで運営している文庫開設時からの苦労話を聞かせていただきました。
特色ある図書と展示で魅力を発信
「ここの文庫は近隣の図書館に比べ蔵書数が多く、幅広いジャンルの本もあり、わざわざ隣町から本を借りに来る人もいます」と近藤さんと宮田さんは笑顔で話します。
みんなのアイデアで来館者の拡大を
地域の憩いの場「みたね鯉川地区交流センター」
閉校となった小学校の利活用を地域活性化の起爆剤に
閉校となった小学校を利活用したこの取り組みは、地域活性化のモデルケースとして注目を集め、全国各地から視察団体が訪れています。